Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

本を読む。

いい人、いい本、いい作品…いいものに出会うと必ず頭を掠める言葉がある。

"良いものには必ず終わりがあります"っていう、メアリーポピンズの有名なセリフ。

この言葉を思い出すときは、決して否定的なネガティヴな気持ちじゃなくて清々しい気持ち。

最近読んだ面白かった本。

近藤史恵さんの小説。どうやらドラマ化されてるらしい。知らずに読んでものすごく面白かった。フランスの田舎で修行した変人シェフが営む下町のフレンチレストランがメイン舞台。シェフはそこにやって来る客たちが持ち込む謎を鮮やかに解き明かす名探偵でもあるー…。

なんでそこまでこの本に惹かれたのかわからない。シリーズの最新刊から読み始めてしまったけど、すぐに全巻(3冊)購入→もう2冊読み終えてしまった。フレンチのことなんて何も知らない。言ってみれば興味もない(笑)フレンチのディナーが食べたいとか思ったこともないのに、この本を手に取ったのは奇跡としか言いようがない。

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昔から、本を読むのが好きだった。

小学生の頃は毎日放課後になると学校の図書室に入って本を借りて帰宅した。小5の頃には武田信玄上杉謙信といった伝記物をよく読んでたし、世界の遺跡とか神話とかそんなのも読んでた気がする。よく、『本を読みなさい』と父親に言われて育った。それでも父は小説を読むことをあまりヨシとしなかった人だった。『タメになる本を読みなさい。』とよく言われ、小説や神話などの作品はくだらないと言われ、その類の本は、いくら読んでも読んでることにはならなかった。

小説家になりたいと思ったことはないけど、文章を書くのも好きだった。下手な横好きで特に高校時代から20歳そこそこ辺りまでは自分でショートショートや小説的なものを書いてたこともある。J-POPの歌詞からストーリーが膨らんで物語を書いたこともある。それこそ中高時代はスポーツ記者になりたいと試合の観戦記を書いて国語の先生に添削してもらったりしてたこともあった。(今思えば余計な業務を増やしてましたな…当時の先生、ごめんなさい🙏)また書きたいなぁ、と思うものの、ワタシも大人になったので(笑)浅はかな知識では薄っぺらな物語しか書けないことは百も承知だ。

父は、くだらない、役に立たないと言っていたけど。本は心を豊かにする。それは知識だけではなく誰かを思いやる気持ちや慮ること、こんなこともあり得るかもしれない、と漫画やドラマや映画とも違って想像力を掻き立てるし、一旦は相手の立場になって俯瞰してみる、そんなスキルを身に付けることができるのはやっぱり活字、読書だと思う。

いい本に出逢えばすぐまた違う作品が読みたくなる。心にも余裕がないと本は読めない。ワタシは速読が出来ないけど、それでいいと思ってる。時間がかかっても、それも読書の醍醐味だと思ってる。

そんな父は読書家だったけど、漫画も大好きで読んでいた(笑)タメになるものを、小説なんかくだらん、というのは親心からだったんだろうと今なら思う。真逆に、母は本を…というか漫画すら、活字を一切読まない。ドラマや映画で見るから登場人物は全て役者のイメージで決まってしまう。そこは、父に似て読書好きでよかったかな、と思う。

父は厳格で怖かった。

父の言うことは絶対だった。

大好きだけど、子供の頃は嫌いな時もあった。

でもやっぱり父のことは好きだ。

そんな父は、父の日にワクチンを打ったらしい(笑)そんな、オチ。