Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

一人と、独り。

12月に入った途端、冷え込みも厳しくなり霙が降る…ついこの前まで暖かったのに。

そうしていつのまにか世界は真っ白になって、冬が来る。

 

 

記憶が甦るきっかけはいろいろある。

ふと鼻を掠める香りだったり、そのときの天気だったり、耳に流れてきた音楽だったり。

いいことも、嫌なことも意外と覚えてるものだ。いや、本当に嫌だったことは鍵をかけてくれてるのかなかなか思い出そうとしても思い出せない…そんなこともあるけれど。

でも、20歳以降…この仕事を始めてからの記憶は嬉しかったことも罵られたことも良いことも悪いことも意外と覚えてる。ふとした瞬間にフラッシュバックして、一気にその瞬間までタイムスリップする。まぁ、悪く言えば執念深いだけなのかもしれない(笑)

 


でもこれだけは言える。

それもこれも、忘れなかったから今がある。

嬉しくて嬉しくてもっと頑張ろうって思えたことも、悔しくて悔しくていつか見返してやろうって歯を食いしばって耐えたことも、覚えてる。でも、その経験があったから、今がある。一人だけど、独りじゃない。

誰かの真似をしたくないわけではない。

進んで出る杭になりたいわけでもない。

ただやりたいことを、突き詰めてきただけ。

その時はちょっとだけ先に走り出して、周りから見たらかなり大外から全力疾走してるように映ったかもしれない。

やりたいことをやる覚悟があるかどうかだけだ。アタシはその覚悟を決めたんだ、全部自分に返ってくるんだ、だからもっともっと…と尖って常にいろんなものに飢えて全力だった気がする。そして、いつも一匹狼だった気がする。それに酔っていたわけではない。やりたいことがあった。群れたいわけではなく、自分の夢にただただ忠実に真っ直ぐに走り出しただけ。そうして走り出したからには、やるしかないという腹の括り方が、誰かに頼ることを苦手にしていったように思う。それがたまに感じる孤独に似た"一人"の感覚なんだと思う。

 

 

ターニングポイントになった、20歳の夏。

大会帯同したチームの選手から、帰る日の朝、

ルーズリーフに書かれた手紙をもらった。

今でもそのルーズリーフに丁寧に書かれた文字の一つ一つを鮮明に思い出せる。

ぼろっぼろになるまで大切に持ち歩いてた。

でも、捨てるはずは絶対にないのにいつの間にか何処かにいってしまった。 

 

 

"ストレッチしてくれてありがとう。

もっともっと成長していつかチームに戻って来てね。今度はテーピングまいてね。がんばれ、イシイちゃん"

 

 

半人前にもならない、ボール拾いしか出来ないイシイを見てくれてた人がいた。それがどんなに嬉しかったことか。

 

数年後、ワタシはホントにそのチームのトレーナーとして就くことになる(わずかな期間だったけれど)。その人はものすごく驚いたけど喜んで迎えてくれた。

 


応援してくれた人がいて、認めてくれた人がいて、頼りにしてくれた人がいた。

もちろん、罵倒してくれた人もいた。

それもこれも独りでは味わえない感情なんだ。一人だけど、独りでは成長も何もなかった。

 

 

ふと"世の中に取り残されないために何をすべきか"的な言葉が目に止まった。

もしかしてアタシは、取り残されてる側…か?

スタートダッシュで飛び出たはずなのに。

誰よりも早く仕掛けた気がしてたのに。

そのままぶっちぎって独走しようなんて思っていたつもりもない。でも走りながら何を思っていたんだろう。華々しい世界も一度は憧れた。でもそこは目指すべき場所じゃないと早々に気付いた。逃げではなく、本当にやりたいことはそこではない、と判断したから。

 

 

一人でいると、情報も考え方も視野も狭くなりがちだから、そうならないようにアンテナは張るけど過敏になったり情報に振り回されるのも良くない。考えるのも実践するのも反省するのも、覚悟を決めるのも自分。独りじゃないけど、やっぱり一人なんだな、と思った。あるようでないようで、あるような、つながり。困ったとき、アタシは誰に頼るだろう。素直に頼ることが出来るだろうか。面倒くさい奴よなぁ、ホントに。

 

 

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人の手を借りて、早く叶うらしい。

 

そっかぁ…

Somebody help me.(笑)