Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

…遠いなぁ。

3年間のうちの2/3はコロナに翻弄されて、さまざまな制約もストレスもあった中でも、無事みんなで迎えることが出来た最後の大舞台への切符をかけた大会。初戦から2試合は緊急事態宣言下の開催だったため、サポートすることが出来ませんでした。。あれ、最後にみんなに会ったのいつだ?少なくとも2ヶ月は会ってない。

間違いなく、今まで観た試合の中でいちばん良かった。W-upの時から顔つきも違ってた。一つステージをあげたような、いい空気が漂ってた。あえて、不必要に声をかけることをしなかった。彼らがつくってきたその空気感を壊したくなかった。

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ノーシードなので、今日を含めあと2回勝たないと決勝にはいけない。最後に決勝の舞台に立ったのは2年前。今の3年生が1年生のとき。

残念ながらその試合はサポート出来ずあとで結果を聞いたわけだけど…絶対的王者相手にとてつもなくいい試合をしたと聞いた。

今日の相手は昨年負けて、この春も負けた因縁の相手。相手の方が間違いなく精神的優位なはず。それでも今日の雰囲気を観てたらイケるんじゃないか、と内心思っていた。

序盤からめちゃくちゃいいDF。

接点で負けてないし、タックルもいい。

今まで見た中で間違いなくいちばんいい出だし。それだけに、なかなかその良さが攻撃に繋がらずもどかしい😂膠着状態が続く前半の終了間際。欲しかった先制点を相手に決められる。際どい角度だったにもかかわらずCKも決まり0-7で前半を折り返す。でも、今までになくいいハーフタイムの雰囲気。自分たちがやってきたことに自信を持ってるというか…ホイッスルが鳴った時に、1点でも勝ってればいい。苦しい展開だけど。彼らの顔見てたらイケるんじゃないかなって。何やかんや言って、最後にはギリギリ勝つんじゃないかと。

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後半開始から攻めて、待望の得点をPKで決め3-7。その後アンラッキーなトライを決められ、3-12。多少ばたつくも粘って粘って取り返してCKも決めて10-12。残り、4分。

どちらも必死だった。

昨年から負けてない相手に点数こそ勝ってはいるけど押されてる側と、明らかに相手を抑えてるのになかなか点が奪えず苦戦してる側と。

どちらかと言うと敵陣でのプレータイムも長いし、ポゼッションもこちらが上回ってた。ギリギリ、ペナルティもらって、キャプテンがPK決めて13-12。それが、アタシの思い描いたシナリオだった。

なかなか追加点が奪えないこと、刻々と過ぎていく少ない残り時間。言いたくないけど、最後は"浜っこ"の気持ちが上回ったんだろうな、と。最後までトライを取りに行く。相手のCKにプレッシャーをかけて、最後のプレーに…と走り出した瞬間、無常にもノーサイドの笛が鳴った。10-17。最後の夏が終わりました。

不思議と涙は出なかった。

満足とは言わないし、満足はしてない。

だってこんなにいい試合したんだから、やっぱり勝ちたかった。それでも、持ってるもの全て出しきれなかったかもしれないけど、やりきった。一瞬の躊躇もちょっとしたミスも、倒されても諦めなかった目も離さなかった手も。全て出し惜しみなく出し切った先にあったものに思えたからかもしれない。逆に、それで勝ってたら泣けたかも。

思えばもう3年が経った。

入部してきた可愛らしい時から、みんなをまとめ引っ張っていく最上級生になるまで見届けることが出来た最初の学年だけにものすごく感慨深い。手を抜くことももちろんあったけど(笑)それでもいつも楽しそうに一生懸命で明るくて、実に素直な学年だった。

届きそうで、届かない。

見えているのに、たどり着けない。

遠いなぁ…遠い!なんて遠いんだろう。

頑張っても頑張っても行手を阻まれる。

"これだけ頑張っても、まだ届かない"

その現実と悔しさを忘れないで頑張ることが、必ず下の学年の力になる。

3年生にとってこの現実と悔しさは、これからの未来、自分の叶えたい、生きたい未来を手にするための底力になるはず。自信を持って前を向いて力強く未来に向かって踏み出してほしい。そしてその背中を微力ながらずっと押し続けたいと思う。

みんなと出逢えて過ごした3年間は宝物です。

本当にありがとう。