Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

1mmの、。

 

シンクロは最近?名称を変えてアーティスティックスイミング(AS)と言うらしい。その世界選手権のソロで日本史上初の金メダルを獲得した乾さん。

 

 

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写真はYahoo!ニュースからお借りしました。

(https://news.yahoo.co.jp/articles/8ca41c02bd8ee78a0792fc1e340b0fd6326284ed)

 

 

乾さんのコーチはあの井村さん。

昨夏の東京五輪後、日本代表ヘッドコーチを勇退した井村さんが専属コーチとして徹底指導したそう。ロシアとフランス以外のソロ金メダルは初の快挙。ロシア勢が不参加だったとは言え、素晴らしいことだ。

その、乾さん。

井村さんの言葉で大事にしている言葉があるとインタビューで話していた。

それが『1ミリの努力』。

いきなり10cmは無理でも、1mmだったら頑張れるかもしれない。そうやって毎日毎日1mmの努力を続けていたら10cmに届く日が来る、的な。

 

 

この言葉の起源は2002 年のアテネ五輪でシンクロデュオで銀メダルを取った立花・ 武田選手を指導していた時に遡る。

デュオで大事なことは息が合い動きがズレず、同じように見えること。 しかし、立花選手と武田選手の身長差は5cmあったそう。そうなると特にジャンプに差が出たらしい。そこに違和感を覚えた井村さんが、武田選手に"あと 5cm 高く飛べるか?" と聞くと、武田選手は"無理です...できません"と答えたそう。そりゃそうだ。地上でだって5cmは相当だ。それを水中からのジャンプで5cm…。でも、あと5cm高く飛べないと綺麗には見えない。そこで井村さんがかけた言葉が、"明日あと1mm高く飛べるか?"。と、武田選手から返ってきた言葉は"頑張ってみます"。そして翌日1mm高く飛んだそう。

そして次の日も"もう1mmだけ高く飛べるか?"と井村さんの問いに、 昨日1mm飛べたという自信がついた彼女は"頑張ります"と答え、また1mm高く飛んだ…。それを10日やったら1cm高くなり、時間をかけ最終的に目標の5cmまで到達したんだそう!!すごい…。

毎日毎日、少し進んでそれを自分のものにする。カンタンなようで難しくもあり、でも手が届きそうな目標。たかが1mm、されど1mm。この1mmの積み重ねこそ、まさに"ちりつも"。

 

 

一方、反対の意味の "1mm の損失" という言葉もあるそう。まぁいいか、これくらいでいいか、みたいな。そんな、ほんの少しの出来心と怠惰心。その1mmの損失の積み重ねもあとで大きな差になる。たかが1mm、されど1mm。せっかくなら自分の気持ちの持ち方で弱い自分にストップをかけられる自分になりたい。

 

今日も昨日の自分よりも1mmでも半歩でも前へ、上へ。大きな目標なんてなくても、そんな努力を忘れない自分になろう。