Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

これが最後だとわかっていたら。

ヒトは、終わりがわかっていたら頑張れるのだろうか。それとも、どう頑張っても終わりなのかとそれまでの緊張の糸みたいなものが切れてしまうのだろうか。

"何が"終わるかにもよるだろうから一概には言えないんだけれど(笑)

 

 

例えばスポーツの場合なら

 

"あと1点!"

"あと○m!!"

"あと○秒!!"

 

もう一踏ん張り、もう少し!頑張って、という気持ちと共にこんな言葉をかけたり、かけられたりしたことはスポーツの世界に身を置いたことがあるヒトなら一度や二度、そんな経験があると思う。それは、終わりが見え(わかって)たら最後の力を振り絞れるんじゃないかという".こちら側"の期待が込められている。かけられた側だって恐らく終わりは見えている。それでもそんな応援の声が、最後の力を振り絞ろうと奮起する追い風になっていればいいなと思う。

 

 

これまで、何人もの選手の引退を見届けて来た。学生スポーツの引退と違って、社会人スポーツの引退は。大袈裟かもしれないけれど、山口百恵さんの引退コンサートのラストシーンのような感覚になる…のは、ワタシだけだろうか(笑)それくらい、何か神々しく、今までのことが走馬灯のように思い出されて、感謝の言葉しか出てこなくなる。

 

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大勢の人に惜しまれ盛大に見送られる人もいれば、人知れずひっそりと引退する選手もいる。

どちらにせよ、ワタシは直接お礼が言いたい。

あなたのおかげで、ワタシの人生は彩り豊かだった。あなたがいなければ味わうことの出来なかった感情や見れない景色がたくさんあった。

 

 

後悔しないように。

あの時もっと力になってあげたかったとか、

もっと何か出来ることはなかったかとか。

あなたのおかげで、は麻薬の言葉。

その言葉が欲しくて続けているわけではない。

そんなこと、思われようが思われまいが自分のやるべきことを全うする。ただそれだけなのだけど。十分やり尽くしただろうか、と必ずと言っていいほど自問自答する。決して手を抜いたり妥協したりしたわけではなくても、いつもその想いはついてまわる。

 

 

だからいつもこのメンバー、このチームで戦えるのはこれが最後かも知れない、いや自分の仕事は"ここ"でいつまでも約束されてるわけではない、と常に思うようにしている。ここにいられること、仕事があることは当たり前ではない。そう言い聞かせて、その時に出来る最高の仕事をしたいと常に思っている。

 

 

自分の終わりはいつだろう。

自分が"やりきった"と思えた時だろうか。

だとしたら引き際は自分で決めなくてはならない。場所がなくなっただけでは諦めきれないかもしれない。誰にも必要とされなくなったと感じた時に初めて諦めがつくかもしれない。

 

終わりかもしれないし、ただの通過点かもしれない。どちらにせよ、一度幕はおりる。

後悔はしたくないし、させたくない。

 

いつまでもあるとは限らない。

世の中は、大なり小なりいつ急に自分の想いとは関係なく失くなってしまうかもわからないもので溢れている。

 

だからこそ、大切にしたい忘れたくない。

今砌の今を精一杯に。

常に100%以上なんて無理なことはわかってるし、そんなん無茶苦茶だってわかってるけど。

 

後悔したくないから、させたくないから。

これが最後かもしれないから。

馬鹿みたいに今砌の今を大切にしたいのだ。