Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

素直な気持ち。

スポットライトなんて浴びなくていい。

もちろん、有名になんてならなくていい。

選手が満足出来ればいい。

そして自分の仕事が、チームの勝利に選手の満足に繋がればそれでいい。

プロでなければ、勝つことが全てではない。

だけどスタッフとして関わる以上は、

チームに貢献するということは、

やはり"勝利"という文字がついてまわる。結果なくして、勝たずして貢献したとはなかなか胸を張って言い難い。

S&Cという仕事は、選手に怪我をさせない、選手のパフォーマンスを向上させるというミッションがある。でもなかなかそれが目に見えて成果が現れるには時間がかかる。その時間は長かろうが短かろうが、信頼関係なくしては築けないモノだと思っている。

なくてはならないけれど、監督やコーチとは違う黒子のような仕事がチームにはいくつも存在する。例えば宿舎があるチームなら管理人、食堂の調理師、栄養士などはほぼほぼ試合会場に姿を見せることはないし、選手と顔を合わせることも少ないかもしれない。

実際に戦う選手たちは試合の状況や流れ、相手の強さなんかを肌で感じるわけで。

あ、勝てるかもとか、今日調子いいなとかそんな感覚はもちろんだけど、なかなか勝機が見出せないなとか、勝てないかもしれない、なんていう考えも頭を掠めることはあると思う。

最後まで諦めるな、とどんなに自分に言い聞かせたところで、九分九厘、試合が決まっている状況で最後まで出し切ってプレーするというのはなかなか難しいことだと思う。どこかで無意識下で少しでも諦めた瞬間に、神経回路が遮断されるのかどうかはわからないけれど動けなくなる。無意識下なら当人はそんなつもりは微塵もなく、完全に諦めたわけではないのだろうけど。それも致し方ないと頭の片隅では理解しながらも、そういう姿は見ていて苦しくなるから見たくない、というのが本当のところ。日頃の努力も、姿勢も知っているからこそ見たくない。どんなに苦しくてもしんどくても最後まで戦う姿が見たいのよ。それもそれで苦しいんだけど、これは裏方の…というよりはイシイ個人のわがままかもしれないけれど。

"絶対に"勝てないとわかっていても"諦めないで"最後まで戦う。勝てないと分かっているのに、がむしゃらに諦めずに戦う。

無駄だという人もいるかもしれない。

でもその状況で最後まで力を出し切って欲しいのだよ。誰かのためというよりは、自分のために。(でも支えてくれた多くの人のために、という矛盾した想いもある)。格好悪くても、やりきって、出し尽くした人にしか踏み入ることが出来ない領域が必ずあると思う。

最終クォーター、残り2分。点差は20点。

諦めたくなくても、信じたくても、九分九厘逆転は難しい時間と点差であることは誰もがわかっていた。2日間、ほぼフル出場でかなりしんどかったであろうGの2人。

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むちゃくちゃキツかったと思う。

それでもそのキツさを凌駕するくらいの想いが2人を突き動かしていたんだと思う。

最後まで諦めずにフロントコートから激しくディフェンスに行く姿は涙なしには観れなかった。点差以上に、気持ちのこもったいい試合だった。

選手にそんな姿を見せられたら、自分ももっともっと、この選手たちに相応しいスタッフでなければ、頑張らねば、と思わずにいられなくなる。

ワタシも昔はプロスポーツの舞台で活動したいと思っていた。そんな憧れも抱きつつ、実業団や学生スポーツにのめり込んで、今日まで細く長く続けて来られた。あの頃よりも格段に女性のS&Cも増えて、活躍を目にする機会もちらほらある。ああいいな、と羨ましく思う気持ちもちょっとはある。けど、掴んだチャンスをその背中を目指す後輩たちのために頑張って欲しいと思う気持ちにも嘘はない。

プロスポーツじゃなくていい。

有名になんてならなくていい。

スポットライトなんて浴びなくていい。

選手が怪我なく最後まで戦えて、満足出来ればそれでいい。 

どこで活動するかじゃない。どこにいても、目の前の選手のために尽力するだけ。

負け惜しみでも何でもなく、これが素直な気持ち。あえて、ひとつ付け足すならば。"求められて"そこにいたい。求められる人材でありたい。

ものすごくいいプレーオフのファイナルでした。両チームに拍手。おめでとうトヨタ🏆🏀ありがとう、富士通!!

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