Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

社会人アスリートのクオリティとプライド。

トレーナーを志した時。

もちろん目標はプロスポーツの世界だった。

f:id:physical141yuko:20201207210924j:image

専門学校1年目の時に『うちの学校じゃ(プロチームに就くのは)無理だよ』的なことを言われ頭に来たのを覚えてる(笑)前例がないから?それ相応のカリキュラムがないから?無理って何だよ!と心の中で憤慨してた。その時その先生がどういうつもりでワタシにそんなことを言ったのか未だにわからない。けれど。

この年の秋、プロチームよりも魅力的な"実業団スポーツ"に出逢い、虜になります。

日中しっかりサラリーマンとして働き、スポーツ選手としてだけではなく一企業人として、そして家庭を持ち、子供もいる選手だっている。プロ選手だってそのスポーツだけやっていればいいわけではないだろうけど、ノンプロやアマチュアとカテゴライズされる選手たちは色んなもの背負って、時にいろんな犠牲のうえにそのスポーツに打ち込む。その姿にぞっこんラブ、恋に落ちてしまったのです。

このカテゴリーは格差が激しい。

(実は実業団なんてカテゴリーはもうない種目もあるので企業アスリートというのが正しいかもしれない)

福利厚生や会社のイメージとして実業団チームを抱えている企業はクリーンで爽やかで堅実な印象を受ける(完全に個人の見解です)けど、利益が上がるわけでもない。選手(社員)が何か不祥事でも起こそうものなら一気に本人のみならず会社まで被害を被りかねない諸刃の刃。

それでいてそこそこのリーグに属するチームを保有するとなると、遠征費など会社が負担する諸々の活動費もバカにならない。時には仕事を早上がりしたり休暇をもらったりして試合に臨む…そう、プロでもないのに。

それは当たり前ではない。

一銭の利益にもならない会社の部活動に対して職場が理解を示し快く送り出してくれる、応援してくれる、、なんてのはその部の活動に興味がない第三者からすれば全く理解出来ないと言われてもおかしくはない。そう言った方々全員から理解を得ることは難しくとも、せめて自分の直属の上司や部下、仲間からは快く送り出してもらいたい。となると学生スポーツの時とは比べ物にならないくらいの不断の努力が必要不可欠になる。"実業団"に所属しプレーを続けると言うのはそういうことだとアタシは思って今まで選手たちを見てきた。

残念ながら『外部』の人間なので選手たちの普段の様子は知るよしもない。体育館やグラウンドでは見せないような表情やもしかしたら悩みなんかもあるかもしれない。話してくれたらそれはそれでもちろん聞くけどこちらからそこに踏み込む気はない。

"実業団"の選手って、恵まれているようで実は雁字搦めの中にいたりする。クラブチームで好きな仲間と好きなスポーツを続ける方が楽しいに決まってる。実業団はそうはいかない。残業、急な出張、転勤、家庭の都合…練習に行けないことなんてよくある。(行けなかった分を自分の時間を削って補うかどうかは熱量の差が出るけど…😅)それでも"ここ"でやりたい、やろうと決めたなら責任や覚悟はもとより、『プライド』を持ってほしいと思うわけ。

格差の激しいカテゴリー。そうそう強化出来るわけでもなく苦しい台所事情で戦うチームは多々ある。当然、どう頑張っても勝てない試合もある。それでもまるっと一日企業で仕事してから、自分の時間削ってしんどい練習して、休みの日に試合に出る。それ、誰にでも出来ることじゃない。すごいことなんだよ!だから体育館やグラウンドに来たら、1分1秒でも無駄にして欲しくないわけ。疲れてるのもわかるんだ、けどさ。そこでアタシはしんどいことやらせるわけだから、手を抜きたくなる、やりたくない気持ちもまぁわからんでもない(笑)

f:id:physical141yuko:20201208092917j:image

職場や家族に感謝するのはそれこそ当然だと思うんだけど、、感謝の気持ちをどう示すか、だと思うわけ。

仕事も練習も精一杯尽力する、諦めない。愚直に、ひたむきに。それこそが応援してくれたり支えてくれたりする人たちへの恩返しであり感謝であって…その先に勝利とか記録とかがついてきたら万々歳だと思うわけ。外部のトレーナーの立場からしたら、そりゃやるからには勝ちたいよ、もちろん。でもそれだけじゃないと思うのよ、プロじゃないからこそ。

泣いても笑ってもリーグ戦残り2試合。

本音は2勝したい。2勝して、全国に行きたい。

でもいちばんみたいのは、みんなの実業団アスリートとしての競技にかけるプライド。

モチベーションは選手の内側から出てくるもので、本人がコントロールするもの。

コーチやスタッフが選手の背中にバッテリーを仕込んだり、命じて出来ることではない。大人になれば、尚更。

 

"チームの強さとは、一人一人のメンバーなんだ。一人一人のメンバーの強さとは、チームなんだ。" by Phil Jackson

2021年まであと23日。

夢が叶うまであと12日✨