Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

祭りのあと。

容赦なく、暑かった。

慢心はなかったと思う。自分たちでも感じないくらいの緊張だったのか、緊張していたことすら感じられないくらい勝つんだという呪縛に囚われてしまっていたのか。やっぱり、高校生は何が起こるかわからない。

思い返せば一昨年の12月。

先生から電話をいただいて、学生トレーナーを練習に…という話だったのを自分が行きたいと願い出たことから繋がった。今年のチームはいいんだ、と先生も言っていた。そんなにいいなら学生じゃなくて自分が行きたい。烏滸がましくも、いやここは自分が行くべきだ、そんなにいいチームなら確実に力になりたいと強く思った。特に誰か現場を紹介したいと思う目ぼしい学生がいたわけじゃない、ということは予め断っておく。前途ある若者の未来を横取りしたわけじゃ…ない(笑)

そんな形で始まったラグビー部との日々。

不定期ではあるけれど多い時は週に一回、毎週のようにグラウンドに行ってまるっと90分イシイのトレーニング。ただでさえ少ない練習時間をスキル練習以外のことに費やそうとしてくれる理解ある先生。何とか公立校でもやれるんだというプライドと、ジャイアントキリングを目指して地道に愚直に取り組んでいく中で、少しずつチームに対する愛情というのは強くなるのはごく自然なこと。2年目ということもあり今年の選手たちもしんどくても楽しくやろう!と嫌な顔せず毎回本当にアホみたいに楽しみながらキツいトレーニングに取り組んでくれた。

世の中が大変な中で、最後の大会を迎えられることがどんなに幸せなことか。きっとみんながいちばんにそれを感じてたと思う。未消化な想いを抱えてふわっと青春時代が終わってしまった友達の想いも必要以上に背負って、みんなの分も勝つんだ!ときっといつも以上にどこかで気負ってたのかもなぁ、、なんて。本当に本当にいいコたちだったから。そんな、ちょっとしたことが積み重なってちょっとずつ、歯車の回りが悪くなっちゃったのかな。

初戦を不甲斐なかった、と嘆いて次こそは、と臨んだ2戦目。ゲームの入りがうまくいかなくて『こんなはずじゃ』と思っただろうな…。

でも、悪いなりによく耐えて前半を最小失点に抑えたと思う。数年前帯同したチームで見た、ロスタイム逆転トライ&CKで7-5で優勝した試合を勝手に思い出してた。あの時も厳しいと思った。それでも最後まで諦めずに試合を観ていた。あの時と、きっと一緒。ハットトリック決めてこいよって送り出したあのコか、まだトライ決めた瞬間を見たことのないウイングのあのコがきっと決めてくれる。それとも何だ、初戦の先制トライみたいに2年生のFWが突っ込んで決めちゃう?苦しかったけど、後半はじりじり敵陣で泥臭く戦っていたから自分の妄想がデジャブのように目の前で繰り広げられると信じて疑わなかった。

ホイッスルが鳴って、グラウンドに突っ伏した選手や大の字に倒れて空を仰ぐ選手、ただただ立ち尽くして空を仰ぐ選手。。

正直、試合中も泣きそうになりながら観てて、終了のホイッスルが鳴った瞬間、泣きそうだっけど、選手の抑えきれなかった嗚咽を耳にして……アタシの涙は一瞬にして引っ込んだ(笑)

きっと、彼らはアタシにいう。

『ごめんなさい』って。

花園連れて行けなくてごめんなさいって。

だから、泣いちゃいけないと思って。そのあとは必死でした(笑)コロナがなければ、全員ハグしてあげたかった。アタシには最高の2年間だった。それはキミたちのお陰。勝敗に関係なく、キミたちのお陰で最高にシアワセな2年間だった。本当にありがとう。

それに、感動したのはOBたちの熱い気持ち。

聞けば夏休みも練習に来てくれたとか。練習試合や遠征もままならなかった7,8月の2ヶ月。OBたちの存在がどれだけ大きかったことか。昨年は決勝観にいけなくて、準決勝勝った試合しか観てなくて…今ここで写真撮ったら終わっちゃう!と思って撮り損ねた学年。決勝、ものすごいいい試合したんだって聞いてめっちゃ嬉しくて、めっちゃ悔しくて。ありがとうもお疲れさまも何も言えずに彼らと離れてしまったので、数名だけど最後になってしまったこの試合を共に見守ることが出来たのは…なんていうか、巡り合わせなのかな、なんて。

悔しい気持ちは、その時どんなに悔しくても残念ながら風化していく。その悔しさを晴らす日まで100%その悔しさを持続することなんて無理に等しいけど、、どれだけ忘れずに自分に厳しく努力し続けることが出来るか。それだけ努力しても報われないことの方がきっと多い。必ず報われると限らなくても、頑張る。その過程こそが何にも替え難い"財産"になる。勝ち負けや記録はその財産の装飾でしかない、とワタシは思う。どんなに輝かしい結果も、中身が伴わなければ想い出としては心に残らない。ただただ優勝した、記録を出した、という薄っぺらい賞賛の結果だけでは虚し過ぎる。…負け犬の遠吠えと言われたくないので実際に勝って言いたい台詞でもある(笑)

出逢えて良かったよ、ありがとう。

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想いが強いチームほど、負けたあとは空っぽになる(笑)祭りのあとのように。