Monologue〜フィジコISHIIの熱苦しい独り言〜

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。仕事のこと思ってること熱苦しく呟きます。

忘れないで、思い出して。

フィジカルパフォーマンストレーナーのイシイです。

コロナ禍が何となく緩やかになって"新しい生活"が囁かれるようになった。

Beforeコロナに戻ることはないとは思いつつ、新しい生活って、何なんだろう。

一部プロスポーツは開幕へ動き出し、学生スポーツはまだ先が見えず。社会人スポーツもどうなることやら。そんな中、スポーツの在り方というかスポーツって何だろうなとふと考えることが増えた。

初めて社会人スポーツに目の前で携わったというのはワタシの中では19年前の国体。

実習で某チームに1週間帯同して目の前で優勝の瞬間をチームの一員として見届けることが出来た。なかなか出来る経験ではないと思う。

コートから離れたスタンドなのに、本当にドラマのように選手の表情が見えた。勝利を確信してまだ試合が終わる前から目が潤んでるのも見えたりして。

そう、時としてドラマや漫画のような瞬間がリアルな試合にも訪れる。

3Pブザービートで追い付いて延長、残り0.2秒でフリースロー
1点ビハインドの極限状態できっちり2本決めてまた逆転。

そんなドラマや漫画のような、いやそれ以上の瞬間がリアルに起こるんだと声に出せない感情で身体の震えが止まらなかった。

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いろんな感情がぐるぐる混ざり合って、言葉にならない想いは涙になる。
何で泣いてるのか、その意味さえもよくわからないのにただただ溢れてくるから必死に堪える。そんなことはスポーツの現場以外で体験したことがないかもしれない。

レベルはともかく、選手でいられる時期はとても短い。トップリーグやプロでプレイ出来たとしても、引退した後の生活が保障されているわけじゃない。それと比べればアマチュア選手は生活も仕事の保障もあるから今回のような環境に置かれた時に熱が冷めてしまう可能性もあると思う。プロとは違ってある程度、自分で引き際も決められる。それならやりたいだけやりきればいい。それは本人の選択だ。プロじゃなくてもある程度のレベルでプレイする選手たちの周りには、努力だけではそこに立てなかった選手たちもいて、どこかで生活のためだったり、いろんな事情で見切りをつけた人たちも少なからずいる。それでも好きで続けてきて奮闘する姿が、いろんな人の心に刺さるんじゃないかな。。多分、そのスポーツやったことなくても、それがどこの誰か知らないたまたま見かけた試合や大会だったとしても、もしくは同じ職場、はたまたお隣さんとか知ってる人がいつもと違う表情を魅せて一生懸命戦っていたら。自分の子供が、自分の親が。いつも見せないような表情で戦う姿を目の当たりにしたら。。

一瞬垣間見た、そのいつもと違う一面にきっとどんな言葉よりもダイレクトに、がつんと胸を熱くするものがあるんじゃないかな、と。

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社会人にはさまざまな事情がある。

好きだけじゃ続けられない時も、ある。

続けたい、居て欲しいという気持ちだけでは生活出来ないこともあるし、上手くいかないのもまた事実。でも、その気持ちこそが最後に人と人を強く繋ぎ止めるものだと思ってる。

文学書や映画、漫画やドラマよりも、スポーツは、観ている人の熱や想いが『応援』という形でダイレクトに届きやすい、その声援や足を運ぶことが選手のプレイひとつひとつをより輝かせる。応援してるチームや選手が勝つことは、観ている側にとっては最高に気持ちいいもの。ましてやその選手やチームが身近な人だったら、それはそれは格別なものになる。

勝ち負けを超越した感動的なプレイやシーンは、そこに関わるすべての人たちの想いによってつくられる。だから観る側も胸が熱くなる。頑張る選手に自分の夢や想いを重ねてたりして…スポーツだけじゃないけど!スポーツには、夢がある。フィクションみたいな嘘みたいなリアルがある。筋書きのないそのリアルなドラマに人は心を揺さぶられる。

きっとスポーツはなくならない。

頑張ることはつながるから。

だから、好きでスポーツを続けてきた人たちはスポーツを好きで居続けて欲しい。

自粛期間で練習が思うように出来なかったことで好きだった気持ちに改めて気付いた人もいれば、その気持ちが冷めかけた人もいたはず。

会えない時間が愛を育てるように(笑)このコロナ禍を経て、スポーツへの愛を再認識してほしい。

長く真剣に付き合えば付き合うほど、ツラいことや上手くいかないことの方が多かったと思う。それでも続けてこられた人は紛れもなく『好き』だから。

初めて試合でトライを決めた時、初めてシュートを決めた時のなんとも言えない嬉しさだったり、応援してくれる人がいる嬉しさだったり、ライバルがいることで負けたくないと努力したこと…根底に『好きだ』という気持ちがなければ続けてこられなかったはず。

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勝ち負けよりも試合に出る出ないよりも、

大事なことはそのスポーツを、チームを好きかどうか。好きなら消えない。思うように出来ない時間も無駄じゃない。悔しさも行き場のない想いすら共有出来る仲間がいる。それは、スポーツがつないだ絆。

大丈夫、スポーツは不滅だ。

好きな人がゼロにならない限り、不滅だ。

ゼロにさえならなければ、その想いは必ずつながってまた盛り上がる日が必ず、来る。

だからどうか忘れないで、思い出して。

好きな気持ちを忘れないで。

アタシは好きを貫き通して頑張る社会人アスリートが大好きだ。